VARIATION
Photo by Shin Yamane
蹤跡
Photo by Tatashi Kuroyanagi
Khora

Sea trace
「Sea trace」は、厳島で見た夜明け直前の青い海景からインスピレーションを得た。
作品に用いられている群青(azurite)や和紙などの材料は伝統的な自然由来の素材であり、作品と自然との連続性を担保している。
また、特定の土地で採取した海水を絵具に混ぜることで、作品に風土性を内包させた。タイトルには使用した海水の採取地と日時が書かれている。
作品に用いられている群青(azurite)や和紙などの材料は伝統的な自然由来の素材であり、作品と自然との連続性を担保している。
また、特定の土地で採取した海水を絵具に混ぜることで、作品に風土性を内包させた。タイトルには使用した海水の採取地と日時が書かれている。
Khora
日本では古来より、自然を介して論理に依らない<直観の領域>を把握し、時代ごとの美意識を見出してきた。
私は普遍性をもつ新たな美意識を目指して<直観の領域>の表現方法を探っており、探求の標としてタイトルを「Khora(コーラ)」としている。
この言葉はプラトンの『ティマイオス』に現れる概念で、存在が生成するための「場」、すなわち理性や言語による分節化のされていない領域を意味する。私はこの「場」を、東洋思想と共振するものとして捉えている。
この探求において、作品には、西洋の近代化によって生まれたアルミニウムと墨を材料として東洋の筆法の線を描き重ね、線にはたらし込みの技法を用いたりもする。「描くこと=空間を生成する行為」とし、異なる文化文明の技術や概念を重ね合わせることで、普遍性を持つ新たな<直観の領域>の表現を試みている。
この言葉はプラトンの『ティマイオス』に現れる概念で、存在が生成するための「場」、すなわち理性や言語による分節化のされていない領域を意味する。私はこの「場」を、東洋思想と共振するものとして捉えている。
この探求において、作品には、西洋の近代化によって生まれたアルミニウムと墨を材料として東洋の筆法の線を描き重ね、線にはたらし込みの技法を用いたりもする。「描くこと=空間を生成する行為」とし、異なる文化文明の技術や概念を重ね合わせることで、普遍性を持つ新たな<直観の領域>の表現を試みている。
空也上人像
遊心方外
絵具の自然な滲みやしみを満開の桜や散る花びらに見立てた。平安時代の歌人・西行の和歌の、こころが異なる場所へ行ってしまうようなイメージや、桜の時期の吉野への取材から湧き上がってきた胸中の「花の雲」の印象を捉えようとしている。
風早
風力発電は自然エネルギーの利点や課題など様々な情報を内包するが、私は風力発電それ自体の佇まいに詩情を感じた。もちろん、その佇まいの美しさを讃えるのはあまりに無邪気であるが(近くで見るときのあまりにも無機的な巨大さはおそれをも抱かせる)、私は今の私の中にある美的直観と人間中心的感覚を受け止めることにした。
水辺